2023年7月26日

【財産管理委任契約】まずは意思能力の有無の確認を!財産管理委任契約を締結するには

大阪市都島区の行政書士デザイン事務所です。

 

高齢者の財産管理には、「財産管理委任契約」、「任意後見」や「法定後見」の成年後見制度、「家族信託」などの方法があります。

 

どの方法を選択するかは、まず本人に意思能力があるかどうかで分かれます。

 

意思能力とは、契約の内容や結果を理解できるだけの判断能力のことです。

 

本人に意思能力がない場合は、「財産管理委任契約」「任意後見」「家族信託」を選択することはできません。

 

本人に意思能力がないと判断される場合は、「法定後見」の利用を検討することになります。

 

分岐点

財産管理委任契約

財産管理委任契約は、民法上、委任契約または準委任契約にあたります。

 

なので、財産管理委任契約を選択する場合は、本人に意思能力がなければいけません。

 

財産管理委任契約は、「任意後見」や「法定後見」と違って、制度上、受任者を監督する監督人の選任義務はありません。

 

任意後見

成年後見制度には、「法定後見」「任意後見」という2つの制度があります。

 

「任意後見」は、本人に意思能力があるうちに、将来に備えて、財産管理などを行う人を決めておきます。

 

任意後見契約は、委任契約にあたるので、本人が意思能力があることが必要です。

 

また、任意後見契約は、後見人を監督する後見監督人を必ず選任しなくていけません。

 

後見監督人の選任のタイミングによって「将来型」「即効型」「移行型」の3つに分類されます。

 

将来型

契約締結後、本人の判断能力が低下したときに、初めて後見監督人を選任します。

即効型

本人の判断能力がある程度低下している場合で、契約の締結と同時に、後見監督人を選任します。

移行型

財産管理委任契約などと合わせて任意後見契約を締結する場合で、本人の意思能力が低下したら、財産管理委任契約などから任意後見契約へ切り替え、その際に後見監督人を選任します。

 

法定後見

「法定後見」は、すでに本人の意思能力がないと判断される状態において、家庭裁判所が選任した後見人が本人の財産管理の支援を行います。

 

本人に意思能力がある場合は、「法定後見」を選択することはできません。

 

本人に意思能力があると判断される場合には、「財産管理委任契約」「任意後見」「家族信託」などの制度の利用を検討します。

 

法定後見には、「成年後見」「保佐」「補助」の3種類あり、意思能力(事理弁識能力)の程度に応じて選択します。

 

そして、それぞれ「成年後見人」「保佐人」「補助人」が家庭裁判所によって選任され、本人の保護や支援にあたります。

 

「法定後見」の場合には、必要と認める場合に家庭裁判所が後見監督人を選任します。

 

家族信託

信託契約とは、委託者と受託者との契約により設定される信託のことです。

 

なので、家族信託契約を締結するには、本人が意思能力を備えていることが必要になります。

 

また、行政書士などの専門職は信託の受託者となることができないため、受託者になる親族などがいない場合には、「家族信託」を利用することはできません。

 

意思能力の確認方法

本人の意思能力の有無の確認には、本人の家族やかかりつけ医などの意見が参考になります。

 

また、本人との面談を通じて、基本情報(氏名や年齢、住所など)が正確に答えられるか、数分前と同じ質問に対しての答えを比較するなどの確認方法があります。

 

意思能力の低下が認められる場合は、本人との面談に家族の同席を求め、医師の診察を受けることを勧めると良いでしょう。

 

まとめ

高齢者の財産を管理するには、「財産管理委任契約」「任意後見」「法定後見」「家族信託」などの方法があります。

 

本人の意思能力の有無によって利用できない制度がありますので、注意が必要になります。

 

高齢者の財産管理で困っていて、「財産管理委任契約」や「任意後見」「法定後見」などの成年後見制度の利用をお考えの方は、お近くの行政書士にご相談ください。

 

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