2022年9月28日

【著作権登録】効果は立証負担の軽減!第一発行(公表)年月日の登録の要件と申請方法

大阪市都島区の行政書士デザイン事務所です。

 

著作権法では、著作権に関する事実関係の公示や著作権が移転した場合の取引の安全の確保などのために、登録制度が定められています。

 

著作権は、著作物を創作した時点で自然に発生します。

著作権の登録は、著作権を取得するための制度ではありません。

 

著作権の登録には、実名の登録、第一発行(公表)年月の登録、創作年月日の登録、著作権の移転の登録、出版権設定の登録、質権設定の登録など、たくさんの種類があります。

 

登録の種類によって目的や効果が異なりますので、それぞれの効果と費用をよく検討して申請をしてください。

 

また、著作権の登録は、法律上の登録機関(文化庁またはソフトウェア情報センター)へしなければ、法的な効果は生じない点も注意が必要です。

 

著作権登録制度

 

【著作権登録】効果は保護期間の延長!実名登録の要件と申請方法

第一発行(公表)年月日の登録

第一発行(公表)年月日の登録と効果

第一発行(公表)年月日の登録とは、著作物を最初に発行(公表)した年月日を登録することです。

 

発行日について争いがある場合、著作権を主張する側が第一発行(公表)年月日の証明をしなくてはいけません。

 

第一発行(公表)年月日の登録を受けていれば、登録されている年月日に著作物が第一発行(公表)されたものと推定されます。登録することにより、証明する必要がなくなり、事実でないと反証する側に挙証責任を転換する効果があります。

 

けれど、第一発行(公表)年月日の登録がなくても、発行(公表)した事実を証明する資料があれば、相手方に反論することができます。

 

要件

第一発行(公表)年月日の登録をするには、以下の要件をすべてを満たす必要があります。

 

著作物が発行または公表されていること

著作物は、発行または公表されている必要があります。発行とは著作物の複製物を公衆に譲渡または貸与すること、公表とは著作物を上演、演奏、上映、公衆送信、口述、展示し公衆に提示することで、発行も公表に含まれます。公表は50人以上、発行は50部以上をもって(目安)、発行または公表されたことになります。

申請者が著作権者または著作物の発行者であること

申請者は、著作権者である必要があります。他人に著作権を譲渡した著作者や保護期間の満了により著作権が消滅している場合は、第一発行(公表)年月日の登録はできません。無名または変名の著作物の場合は、著作権者に代わって発行者(出版者など)が申請することができます。

著作物を公表した日を客観的に証明できること

申請するには、第三者による第一発行(公表)年月日を証明する資料の添付が必要です。申請者や代理人による証明は、証明する資料にはなりません。第一発行(公表)年月日の証明ができない場合は、第一発行(公表)年月日の登録申請はできません。

 

登録免許税

第一発行(公表)年月日の登録の登録免許税は、3,000円(収入印紙)です。

申請が却下された場合は、納付した登録免許税が還付されます。

 

必要書類

登録の申請は、書面での郵送のみです。

簡易書留やレターパックなど、配達記録が残る方法で郵送してください。

 

申請先

文化庁著作権課 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2

第一発行(公表)年月日登録申請書

申請書は、文化庁ホームページからダウンロードできます。

 

第一発行年月日登録申請書

 

第一発行年月日登録申請書の記載事項は、以下です。

 

著作物の題号

著作物の題号(タイトル)を記載します。

題号がない場合は「なし」、不明の場合は「不明」と記載します。

著作権の明細書の記載内容と一致している必要があります。

登録の原因及びその発生年月日

「公表した年月日」、「無名」「変名」のどちらで公表したのかを記載します。

第一発行(公表)年月日の登録は公表されていることが要件ですので、「未公表」ということはありません。

例)令和〇年〇月〇日に〇〇△△の変名で公表した。

実名を証明する資料の記載内容と一致している必要があります。

登録の目的

「第一発行年月日の登録」または「第一公表年月日の登録」を記載します。

著作物の複製物(印刷物)を配布した場合は「発行」、著作物を上演、演奏、上映、公衆送信、口述、展示などの方法で他人に見せ聞かせた場合は「公表」になります

前登録の登録番号

「なし」と記載します。

申請者

登録通知書の発送のため、郵便番号、連絡先の電話番号を記載します。

申請者の欄のカッコ内には、「著作権者」または「発行者」のどちらかを記入します。

代理人が申請する場合は、申請者の欄の後に、代理人の住所・氏名を記載してください。

代理人が申請する場合は、委任状の添付が必要です。

添付資料の目録

申請書に添付する資料名(著作物作の明細書、第一発行(公表)年月日を証明する資料の名称、委任状など)と通数を記載してください。

例)著作物の明細書 1通

 

<第一発行(公表)年月日登録申請書 記載例(参考:「登録の手引き」文化庁)>

第一発行(公表)年月日登録申請書

 

複数を同時に申請する場合は、登録の目的が同一である場合に限り、同一の申請書で申請が可能です。

著作物の明細書

著作物の明細書は、文化庁ホームページからダウンロードできます。

 

著作物の明細書

 

著作物の明細書の記入事項は、以下です。

 

❶ 著作物の題号

第一発行(公表)年月日登録申請書と同じ題号を記載します。

❷ 著作者の氏名

著作者の氏名を記載します。

❸ 著作者の国籍

著作者が外国人である場合、国の名称を記載します。

❹ 最初の公表の際に表示された著作者名

公表時の著作者の実名(本名)を記載します。

無名または変名で公表をした場合は、発行者(出版者など)を記載します。

❺ 最初の公表年月日

第一発行(公表)年月日登録申請書の発生年月日と同じ内容を記載します。

❻ 最初に発行された国の国名

外国人の著作物であるときにのみ、国の名称を記載します。

❼ 著作物の種類

著作物の種類を記載します。

「言語の著作物」「音楽の著作物」「舞踊・無言劇の著作物」「美術の著作物」「建築の著作物」「地図・図形の著作物」「映画の著作物」「写真の著作物」「プログラムの著作物」などから選択して記載します。雑誌、辞典などのような編集物の場合は「編集著作物」と記載します。

❽ 著作物の内容または体様

著作物の内容または体様を200字から400字程度で記載します。

著作物の種類が美術の著作物、建築の著作物、図形の著作物、写真の著作物の場合は,文章に加えて、写真や図面など(A4以下で1部のみ)を添付できます。添付する場合は、実名登録申請書の添付資料の欄に「著作物の複製物 1部」と追記します。

 

<著作権の明細書 記載例(参考:「登録の手引き」文化庁)>

著作権の明細

 

第一発行(公表)年月日を証明する資料

登録には、50部以上の著作物の複製物が頒布されたことや50人以上の人が著作物を見たり聞いたりしたことの第三者の証明が必要です。ホームページへの掲載した場合は、ホームページにアップロードした時点で公表したことになります。

第一発行(公表)年月日を証明する資料には、所定の用紙はないので、以下を参考に、各自で作成してください。

<第一発行(公表)年月日を証明する資料 記載例(参考:「登録の手引き」文化庁)>

第一発行(公表)年月日を証明する資料

委任状

代理人が申請する場合は、委任状が必要です。

委任状の様式は決まっていないので、以下を参考にして各自で作成してください。

 

<委任状 例(参考:「登録の手引き」文化庁)>

委任状

 

標準処理期間

申請書が、審査を経て登録または却下されるまでの標準処理期間は30日です。

登録通知書交付は、原則メールで通知されます(申請書にメールアドレスを記載してください)。

登録は、申請の受付の年月日に効力が生じます。

 

申請書類の事前チェック

申請書類の不備を防ぐため、申請書を郵送する前に文化庁に事前確認を依頼してください。

事前チェックには、通常2〜3日、最大約1週間ほどかかります。

収入印紙を貼付せずに、申請書の案と添付書類をメール、FAXまたは郵送で送付してください。

申請先

文化庁著作権課 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2

FAX 03(6734)3813

e-mail ctouroku@mext.go.jp

 

まとめ

第一発行(公表)年月日の登録には、登録されている年月日に著作物が第一発行(公表)されたものと推定され、事実でないと反証する側に挙証責任を転換する効果があります。

 

著作権は著作物を創作した時点で自然に発生しますので、著作権の登録は、必ずしも必要ではありません。

著作権の登録の種類によってそれぞれ目的や効果が異なりますので、効果と費用を検討をして申請をしてください。

 

 

行政書士デザイン事務所では、著作権登録の申請代行サポートを行っています。

 

第一発行(公表)年月日の登録 55,000円〜(税込)※別途、登録免許税3,000円が必要です。

 

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