2024年6月12日

【ドローン飛行許可】走行中の車両はどっち?新しい第三者上空の定義

大阪市都島区の行政書士デザイン事務所です。

 

ドローンは、原則として「第三者の上空」で飛行させることができません。

審査要領や標準マニュアルで明確に禁止されています。

 

ドローンを飛行させるには、飛行経路の直下や周辺に「第三者」が立ち入らないよう立入管理措置を講じる必要があります(カテゴリーⅢ飛行除く)。

 

航空法では、132条の87(第三者が立ち入った場合の措置)に「第三者」というワードが出てきます。

 

「第三者」が飛行範囲に立ち入った場合には、速やかに飛行を中止させるか、その他の必要な措置を講じる必要があります。

 

「第三者」というワードは、審査要領や飛行マニュアル、ガイドラインなどにもたくさん出てきます。

 

「第三者」の定義は、「無人航空機に係る規制の運用における解釈について 」という資料の中でされています。

 

カテゴリ―Ⅱ(レベル3)飛行の許可・承認申請に関する説明会 」や「教則 」にも同じ内容が記載されています。

 

また、カテゴリー3.5の新設(2023年11月17日)によって、「第三者上空」についての解釈についても新しく公表(2024年6月10日)されました。

 

ドローンを飛行させる場合は、「第三者」と「第三者上空」の定義についてよく確認をしておきましょう。

 

解釈について

 

第三者とは

「第三者」とは、ドローンの飛行に直接関与している者、または間接的に関与している者以外の人のことです。

 

直接関与している者とは、以下の人のことです。

 

① 操縦者

② 現に操縦はしていないが操縦する可能性のある者

③ 補助者など無人航空機の飛行の安全確保に必要な要員

 

間接的に関与している者とは、飛行目的について無人航空機を飛行させる者と共通の認識を持っている人のことで、次のすべてに該当している必要があります。

 

a)無人航空機を飛行させる者が、間接関与者について無人航空機の飛行の目的の全部または一部に関与していると判断している

b)間接関与者が、無人航空機を飛行させる者から、無人航空機が計画外の挙動を示した場合に従うべき明確な指示と安全上の注意を受けている。なお、間接関与者は当該指示と安全上の注意に従うことが期待され、無人航空機を飛行させる者は、指示と安全上の注意が適切に理解されていることを確認する必要がある

c)間接関与者が、無人航空機の飛行目的の全部又は一部に関与するかどうかを自ら決定することができる

 

映画の空撮の場合の俳優やスタッフ、学校等での人文字の空撮の場合の生徒などは、間接的に関与している者に該当し、「第三者」ではありません。

 

第三者上空について

「第三者上空」とは、「第三者」の上空のことです。

 

ただ単に「第三者」の直上だけでなく、ドローンが落下する可能性がある範囲に第三者がいれば、その上空も「第三者上空」にあたりますのでご注意ください。

 

また、「第三者」が乗っている走行中の車両の上空も「第三者上空」にあたります。

 

以下の場合は、「第三者上空」にはあたりません。

 

①「第三者」が遮蔽物に覆われていて、ドローンが衝突した場合に遮蔽物によって「第三者」が保護される状況にある場合

例)「第三者」が屋内または車両等(移動中のものを除く)の内部にいる場合など

②「第三者」が移動中の車両等の内部にいる場合に、レベル3.5飛行としてドローンが一時的に当該車両等の上空を飛行するとき(「第三者」が遮蔽物によってドローンの衝突から保護されていない場合を除く)

 

②の場合は、航空法第132条の87(第三者が立ち入った場合の措置)の規定からも除外されます(「第三者」が車両等に保護されている場合)。

 

人または物件について

航空法の第132条86第2項第3号で規定されている「人」または「物件」とは、次のことになります。併せて確認しておきましょう。

人とは

「人」とは、操縦者及びその関係者(ドローンの飛行に直接またはは間接的に関与している者)以外の者のことです。

 

つまり、「第三者」のことです。

物件とは

「物件」とは、次に掲げるもののうち、操縦者及びその関係者(ドローンの飛行に直接または間接的に関与している者)が所有または管理する物件以外のことです。

 

a) 中に人が存在することが想定される機器(自動車、鉄道車両、軌道車両、船舶、航空機、建設機械、港湾のクレーン等)

b) 建築物その他の相当の大きさを有する工作物(ビル、住居、工場、倉庫、橋梁、高架、水門、変電所、鉄塔、電柱、電線、信号機、街灯等)

 

土地(田畑用地、道路の路面などの舗装された土地、堤防、鉄道の線路等であって土地と一体となっているものを含む)や樹木などの自然物は含まれません。

 

立入管理措置について

立入管理措置とは、第三者の上空でのドローンの飛行を避けるため、立入管理区画を設定し、当該区画の範囲を明示して、第三者の立入りを制限することです。

 

関係者以外の立入りを制限する旨の看板、コーン等の設置などがそれにあたり、補助者の配置(補助者による監視や口頭警告など)も含まれます。

 

レベル3.5飛行では、機体に取り付けられたカメラによって、飛行経路の直下やその周辺への第三者の立ち入りが無いことを確認することも立入管理措置に含まれます。

 

なお、航空法の第132条の85第1項(飛行の禁止空域)や第132条の86第2項(飛行の方法)では、一等の技能証明と第一種の機体認証があれば、立入管理措置を講ずる必要はないとしています。

 

こちらの内容も、今回の資料 の中で明記されましたので、合わせて確認をしておきましょう。

 

まとめ

カテゴリー3.5の新設(2023年11月17日)によって、新しく「第三者上空」の解釈が公表されました。

 

停車中の車の上空は「第三者上空」ではありませんが、移動している車の上空は「第三者上空」にあたります。

 

移動中の車の上空でも、レベル3.5飛行中で一時的にその車の上空を飛行する場合は「第三者上空」にあたりません。

 

けれど、バイクやオープンカーのように「第三者」がドローンの衝突から保護されていない場合は、「第三者上空」にあたります。

 

 

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